転職:退職時にもらえるお金とかかるお金

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転職、独立・起業…退職時にもらえるお金とかかるお金

 総務省の労働力調査によると、2013年7月の完全失業率は3.8%と前月に比べ0.1ポイント低下しています。完全失業者数は255万人で前年同月比33万人減となり、38カ月連続減少しました。統計上は少しずつ上向き始めた景気ですが、消費増税が行われると経済が冷え込む可能性もあります。万一失業した場合のお金のことを今から学んでおきましょう。

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 突然のリストラや倒産だけではなく、転職や独立・起業のために自分から退職する場合もあるでしょう。会社勤めで雇用保険に加入している場合、要件を満たせば失業給付や職業訓練を受けることができます。加えて、配偶者の稼ぎがあれば大きな力になります。
 失業給付としてもらえる金額は、働いていた時の賃金(賞与等は除く)の5~8割程度です。年齢によって1日当たりにもらえる金額の上限があり、30~45歳未満は7115円です(13年8月1日現在)。通常28日分の失業給付がまとまって支払われるのですが、1日当たり7115円なら28日分で20万円程度ということです。

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 ただし、この金額を全額自由に使えるわけではありません。前年度の住民税、国民年金保険料、健康保険料(国民健康保険に加入するか在職時の健康保険の任意継続被保険者となる)などを支払わなければなりません。例えば、20万円の失業支給を受けても、税や社会保険料を支払った後の手取りは10万円台前半になるということもあるでしょう。パートナーの収入も合わせてやっと生活ができるというレベルでしょうか。失業給付を受けている間は配偶者の社会保険の被扶養者になることはできませんので注意が必要です。

 会社を退職する場合、最低でも4カ月分の生活費と1年分の住民税を用意しておきましょう。独立・起業となると事業が軌道に乗るまでに2~3年かかることもあるため、加えて2年分の生活費は欲しいところです。

 失業時になぜ4カ月分の生活費が必要かというと、失業給付はすぐに受けられるわけではないからです。会社を退職すると1週間程度で「雇用保険被保険者離職票」が届きます。この離職票など、必要書類をもってハローワークで手続きを行います。求職の申し込み後も7日間は「待機期間」のため基本手当は支給されません。自己都合の場合は待機期間満了後も更に3カ月間の「給付制限」があります。無事に失業の認定が行われたら、通常5営業日で金融機関に振り込まれます。

 また住民税の支払いは失業時の盲点でもあります。例えば、年収が900万円の場合、住民税は年50万円程度になるために高額です。税金の支払いを想定しておらず、消費者金融やキャッシングに手を出してしまったという話もよく聞くため、必ず貯金をしておきましょう。

 住民税は会社員の場合「特別徴収」という方法で、前年の収入に対する税額を今年の6月から翌年の5月までの1年間に12分割で給与から天引きされています。退職後は「普通徴収」になるので前年度の収入に対する税金を年4回の納期内に自分で納付する必要があります。

 給与明細から引かれている住民税は12分割された金額ですので、その約3倍の金額を年4回納める必要があるのです。納期を過ぎると、納期限の翌日から納める日までの日数に応じ、年14.6%の利率で延滞金がかかります。

 どうしても生活が厳しいという場合は、国民年金保険料の「特別免除」(退職や失業による)を利用するのも手です。また、国民健康保険の保険料も解雇や倒産等の理由により離職した場合は「軽減措置」があります。離職の翌日から翌年度末までの期間は前年度の所得を「100分の30」として保険料を算定してもらうことができるのです。住民税に関しても減免や徴収の猶予を受けることができる場合もありますので市区町村に相談をしてみるとよいでしょう。

 そして、失業時に何よりも頼りになるのはパートナーです。ピンチの時に経済的にも精神的にも大きな支えとなってくれるはずです。

ソース
http://www.nikkei.com/money/savings/survival.aspx?g=DGXNMSFK0500C_05092013000000